「彼氏いらないけど子供ほしい」の傲慢
先日クローズアップ現代で、「いきなり結婚族」を特集していた。
文字通り、恋愛期間なしで結婚したいという人たちのこと。
今ドラマをやっている「逃げるは恥だが役に立つ」のような
契約結婚には憧れないわけでもないので、
両者の合意の下なら他人が口を出すことでもないよなーと、ぼーっと見ていた。
しかし、インタビュイーとして登場した女性の発言にひっかかった。
仕事もプライベートも充実しているから恋愛したい気持ちはゼロ。
ただし、子どもは欲しいので結婚したいんだとか。
特定の人の「この人の子供が欲しい」というのではなく、
ただ単に「子供が欲しい」という気持ちは、どこから出てくるんだろう。
子育てをすることで、「自分が」何かを得たいということではないのか?
楽しさや成長を得たいという欲望そのものはあってしかるべきものだ。
でも、そのために他者のいのちをつくるという途方もないことをしてもいいの?
まるでなにかの道具のように「ほしいからつくる」という発言は、
「子供は私の所有物になるのだから」という裏面も透けて見えるようで、
違和感と反発を覚える。
子供は親を選べない。否応なしに誕生させられるのだ。
いつか子供が絶望して「なぜ私を産んだのだ」と問うたときに、
さらなる絶望へと叩き込まないような動機を親が持っていることを望む。