幸福とは正義とは何なのかを問う原点回帰 / PSYCHO-PASS PROVIDENCE

**本シリーズについてのネタバレがあります** **3期は放映当初途中脱落したのでこれから見ます** 正直、あまり期待していなかった。 1期が至高すぎて、それ以降の作品にはハマりきれず、今回もきっとそうなんだろうと高を括っていた。 覆された。製…

夢から醒めても続いていくこれから / LAMP IN TERREN

2021/12/28、LAMP IN TERRENとして行われる最後のライブ。 会場に向かう新幹線の中で、自分の日記代わりになっている昔のツイートを遡って見ていたら、mol-74の武市さんのこんな呟きをリツイートしていた。 バンドが続くってのは本当にすごいこと。4人なら4…

子宮全摘した話

前回、子宮全摘することを決めた話を書いてから半年経ち、やっと手術が終わった。 atamanonaka.hateblo.jp 半年間何をしていたかというと、レルミナという薬剤を飲んでいた。 ホルモンを減らすことで、手術に向けて筋腫をなるべく小さくするためだ。 この薬…

子宮全摘することにした話

以前、子宮筋腫の筋腫核手術をした。 多発性だったため、全部を取ろうとすると出血が多くなってリスクが高まるということで、大きいものだけを摘出し、小さいものは残して経過観察しましょう、との結論で。 それから4年。半年に1回くらいで通院して検査を受…

一緒に生きていくこと / FRAGILE (LAMP IN TERREN)

※Progress Report京都公演のMCに関する記載を一部含みます※ 公演前のインタビューでは「演劇のような観せるライブに」と語っていたが、 京都までの2会場でそれは無理だと気付いたらしい。 コロナ禍により”自粛”され、約10か月ぶりのワンマンライブ。 このと…

楽しいだけが音楽じゃない / The Naked Blues (LAMP IN TERREN)

※BABY STEP大阪公演のMCや演出に関する記載を一部含みます※LAMP IN TERRENのライブは今、最高潮に素晴らしいのでみんな一度見てくれ、と心から思う。昨年Vo.松本大が声帯ポリープの手術をするのに伴い数ヶ月活動を休止していたのだけど、活動再開してから生…

信じることにする、という意思 /関数ドミノ 

大好きなイキウメの作品が外部プロデュースで公演されていたので、観に行ってきた。 これまでそこそこの量の観劇をしているつもりだが、その中でベストの作品だった。 **ネタバレ盛大に含みます** 【あらすじ】 「ドミノ」と呼ばれる、本心から願ったこ…

死にたいわたしを救うのもまたわたし / 爽やかな逃走 (CIVILIAN)

9/1に子どもの自殺が増えるということで、 夏休みの最終日、NHKで特集番組をやっていたらしい。 その中で、わたしを救った音楽というテーマで何曲か取り上げられていたようだ。 大好きなバンド、Lyu:Lyu(現:CIVILIAN)の曲も上がっていたようで嬉しい。 そ…

子宮筋腫・卵巣嚢腫手術記 (術後5カ月)

サブテーマとして書いていた手術記がいちばん需要があるようなので、 手術のその後の話を書こうと思う。 手術後3週間で仕事復帰の予定だったが、 3週間ではふつうに歩くこともまだままならず、 少し動いただけで体力の消耗が半端ではない状態だったため、 「…

寄り添う、その一歩先へ / CIVILIAN

昨日のCIVILIANの改名1周年ライブ。 Lyu:LyuからCIVILIANになったことを体感させられたライブだった。 セトリの組立ても、Lyu:Lyu時代のものは中盤のアコースティックとアンコールのみ。 たった1年で、CIVILIANとしての楽曲だけでライブができるバンドになっ…

食べること、生きること / 天の敵

**ネタバレ盛大にしてます** イキウメの「天の敵」を観劇。 イキウメの舞台を観た後は、いつも良い意味でもやっとしたものが残って、 いろいろと考えさせられるのだが、今回のは飛びぬけてその度合いが高かった。 「ライターで“食っていく”って言うでし…

子宮筋腫・卵巣嚢腫 手術記 (入院前の準備)

物心ついてからの初めての入院だったので、 何を用意していいか分からず、とにかくネットで調べまくった。 病院から教えてもらえることもあるが、そうではないこともあるので、 今後の自分のためにもまとめておく。 (保険のことは自分の理解でまとめている…

子宮筋腫・卵巣嚢腫 手術記 (術後~退院)

前回の続きです。 ≪入院3日目・手術後1日目≫ 予定表では、トイレまで歩くのが目標の日。 (ベッドから3~4mぐらいか?) 朝目覚めて、どこが痛かったかというと、 傷口よりもなによりも、背中と鎖骨まわり。 肩こりがひどい私でもなかなか経験したことのな…

子宮筋腫・卵巣嚢腫 手術記 (手術前日~当日)

前回の続きです。 紹介された大病院が、婦人科の腹腔鏡手術が得意な先生のいらっしゃる病院で、 幸い、サイズ的にもぎりぎり開腹しなくても摘出できると言っていただいたので、 開腹ではなく、腹腔鏡手術をお願いした。 入院予定は手術前日も含めて6日間。実…

子宮筋腫・卵巣嚢腫 手術記 (判明~手術決定)

病名が判明してから、いろいろな方の体験談ブログを拝見して、 参考にさせてもらっていたので、私の経験も日記がてら記そうと思う。 ≪判明したきっかけ≫ 実家を出てから、月経痛がほとんどなくなり、鎮痛剤も不要なほど。 「ストレスがないと、こんなところ…

かわいそう、の罪悪感

「お母さん、娘をやめていいですか?」には、毎週のように胸をえぐられている。 娘をなじることしかしない親(主人公の美月からは祖母)が亡くなり、 最期に遺した言葉もまた、自分をなじるものだったことから、 精神的に不安定になる顕子(美月の母親)。 …

「家族」は免罪符にならない /カルテット3話

昨夜のドラマ「カルテット」が最高に良かった。 昔、幼い娘を利用して詐欺をはたらいた父親が亡くなり、 父親のいる病院の近くまでは行ったものの通り過ぎるすずめちゃんを見つけ、 真紀さんが追いかけていく。 平凡な脚本家だったらきっと、父親のところに…

「手術ですね」と言われてまず考えたこと

子宮筋腫と卵巣嚢腫が判明し、手術が必要だと告げられたとき、 いちばん最初に考えたのは「私ひとりでなんとかできるだろうか」ということだった。 ネットで体験談を読み漁っては、入院はいけるけど手術は立ち合いが要る…?など、 とにかく自分ひとりで動く…

わたしが決めるということ / あのひとは蜘蛛を潰せない(彩瀬まる)

親にかけられた呪縛と戦っている人は、この主人公は自分だ、と思うだろう。 温かいごはんを毎日用意し、娘が帰るまで食べずに待っていたり、 高価な服や化粧品を買い与えたりと過保護な一方で、 「頭が悪い」「脚が太い」とけなす言葉を放つ。 そんな母親と…

毒にも似た歌詞の鮮烈 /スガシカオ

本音と建前なんて言うけれど、 「思ってても言っちゃいけないでしょ、それ」な本音を グロテスクではなく爽快に表現するのがスガシカオの魅力。 最新アルバム「THE LAST」に収められている 「あなたひとりだけ幸せになることは許されないのよ」は タイトルか…

生きづらさに寄り添う音楽 /Lyu:Lyu(CIVILIAN)

しんどくて、大好きな本を開く気力すらないとき、 いつも音楽に助けられてきた。 つらいときに聴くのは、前向きなメッセージ性の強い音楽よりも、 作り手も自分と同じように苦しんでいることが感じられる、 人によっては「ネガティブ」と言われるだろう曲た…

事実とは何か /遠野物語 奇ッ怪其ノ三

脚本家が前田知大さんということで観劇。 イキウメ・カタルシツ以外で、彼の脚本を観るのは初めてだったが、 期待を裏切らない面白さ。 「標準語」以外で語ること・記すことが弾圧され、 フィクションが「妄想・虚妄」として取り締まられる世界。 冒頭の「過…